賃貸アパートの選び方

8年の一人暮らしで2件の部屋に住みましたが、2件目は本当に住みやすかった。やはり部屋選びは大事です。 8年で2件では大した数ではありませんが、1件目から2件目に移る時、それは慎重に選びました。 そんな私の経験を踏まえて、一人暮らしをする時の賃貸の選び方をお話ししたいと思います。

まず、一人暮らしの部屋を選ぶにあたって重視すべきことは何でしょうか? 利便性、安全性、家賃、間取り、日当たり、騒音など、人によって重視するところは違うと思いますが、女性である私が一番大事だと思うのは「安全性」です。

そう思ったのには理由があります。 実は、私が初めて一人暮らしをした時に選んだ部屋は広さで選びました。1人暮らし経験者の姉と共に探したのですが、何軒か回った中で最も広く、収納もたっぷり、2階建ての2階で、築15年を軽く越えていたのにも関わらず割とキレイ。

しかも、お手頃価格で姉が大絶賛。初めての部屋選びだった私は、何を基準に選べばいいのか全く分かっていませんでしたが、信頼している姉が絶賛したということで即決しました。今思えば駅から徒歩15分、木造2階建て、裏は畑、最寄りのスーパーまで徒歩20分と大して良い条件ではありませんが、私の一人暮らしは始まりました。

最初は家族がそばにいない寂しさから落ち着かない毎日でしたが、徐々に誰に気を遣うこともない生活に魅力を感じるようになり、2ヶ月が経つ頃にはすっかり一人暮らしを満喫できるようになりました。 そして、1年9ヶ月が経過したある夜、事件が起こったのです。

仕事を終え、アパートへ帰り、ベッドの上に転がってのんびりしていた時のことでした。 突然近くで「ガチャーン」という音が聞こえました。「何だろう?」と思い、寝室のカーテンを開けて外を確認しようとしたところ、なんとその窓ガラスが割れています。

状況がつかめず、暫くボーっとしていたものの、このまま放置しておくわけにもいきません。取りあえずもう一度確認しようと思い再びカーテンを開けると、窓はかなり大きく割れており、周りにはガラスが飛び散っています。そして寝室の床には見覚えのないコーラの瓶。

「ひょっとして、このコーラの瓶が外から飛んできた?」そこでようやくハッとしました。何者かによって寝室の窓ガラスが割られたのです。 よく見るとベッドの上はガラスの破片だらけ。窓ガラスが割れた時ベッドに転がっていた私ですが、カーテンを閉めていたために破片が勢いよく飛び散らなかったようで奇跡的に傷1つ作らずに済みました。

もしカーテンを閉めていなかったら…。考えただけでゾッとします。 警察に通報し、一通り家の周りを調べてもらい、その晩は友人宅に泊まりましたが、なぜこのようなことが起こったのか、全く原因が分かりません。「ひょっとしたら夢?」と、翌朝自宅へ戻って確認してみると、やっぱり窓が大きく割れています。

不動産屋さんの営業開始時間を待って連絡すると、すぐに飛散防止フィルム付きの新しい窓ガラスを取り付けてくれました。 ただ、時間が経過するにつれ、徐々に湧いてくる恐怖心。これ以上この家には住めないので、更新時期を待たずに新しい物件を探し始めましたが、新居が見つかるまでの間はこの家で暮らすしかありません。

人から恨まれるような覚えは全くなかったので、それがまた逆に恐怖心を煽り、「もう二度と起こらないでー」と祈っていました。 こんな恐怖体験をした私。そんな訳で次に住む家は安全性を重視しようと誓ったのでした。

【部屋の決め方】

物件を探す時、まずインターネットで調べる人が多いでしょうが、そこに出ている情報はその不動産屋さんの持つ情報のごく一部。また、最新情報ではない場合もありますから、インターネット上の情報だけで判断せずに色々な店舗へ出向いてください。

ただし、その地域の相場を確認するためには前もってネットや賃貸情報誌で下調べしておいた方が良いでしょう。 さて、恐怖体験をした私は「安全性」重視で物件を探しました。

具体的には2階以上・窓にシャッター・住宅街(周りに家がある)という条件を満たした部屋の中から気に入ったところを選びましたが、他にはどんなところを重視すべきなのでしょうか。 「場所」と「物件」の観点から見ていきましょう。

目次

「場所」から考える

交通事情
まず気になるのは「利便性」。特に一人暮らしをする場合は、特別な理由でもない限り目的地(学校や職場)の近くや交通の便が良いところに住むはずです。 通勤・通学で毎日電車を使うのであれば、駅まで徒歩何分で行くことができるのかは重要な問題です。

駅から離れていくにつれ賃料は確実に下がっていきますが、一人暮らしの賃貸物件を選ぶのにわざわざ駅から離れる必要は無いのではないかと私は思います。将来マイホームを考えた時に金銭的な制限によって駅から離れていくのは仕方がありませんが、探しているのは一人暮らし用の部屋。

駅に着いて、そこから「徒歩20分」とか「バスで10分」となると、体力をかなり温存して帰ってこないといけないのでなかなか大変だと思います。 単身という身軽さを活かし、通学・通勤時間を節約できる場所を選んでください。私のおススメは徒歩10分以内。

利便性
近所にスーパーやコンビニがあるかどうかも生活する上では重要なポイントです。特に、学校や職場からの帰宅路に買い物ができる場所があると、例え疲労困憊で帰ったきたとしても最後の力をふり絞って 翌朝のパンと牛乳を買うことができます。

自分の健康は自分で管理しなければならないのが一人暮らし。コンビニ弁当や外食が続くと出費も増えますから、ぜひ食材を買って自炊してください。 また、ドラッグストアが近くにあると重宝します。風邪を引いたとき、だるい体で遠くまで薬を買いに行くのは大変ですし、ティッシュやトイレットペーパーなどの日用品を購入するにはドラッグストアが便利です。

防犯
交番や24時間営業のコンビニが近くにあれば防犯につながります。意外と盲点なのが公園。昼間の公園には子どもが集まりますが、夜の公園は時にやんちゃな若者のたまり場になる場合があります。 毎晩のように夜中に集まって大騒ぎされてはゆっくり休むこともできませんから、可能なら契約前に夜の様子を確認しておきましょう。

また、公園のみならず部屋の周辺についても、日が沈んだ後の状況を確認しておくことはとても大事です。 街灯がどこにあるのが、人目に付かないような危ない場所は無いか、近所に騒がしい住人はいないかなど、物件回りの時には見えなかった部分をチェックして下さい。

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「物件」から考える

安全性
自分の身は自分で守るしかないのが一人暮らしですから、少しでも不安な要素のある物件を選ぶ必要はありません。 特に女性の場合は、外からのぞかれないように2階以上の物件をお勧めします。

アパートの1階に住んでいた私の友人は、ある夜、チラッと窓の方を見た時、知らない誰かと目が合ったということ。 もしかしたら前々から覗かれていたのかもしれません。洗濯物やカーテンの色などで、どうしても女性が住んでいるかどうかが分かってしまいますから、自分の身をわざわざ危険にさらすことのないように2階以上を選びましょう。

また、女性は単身男性が多い物件は避けた方が良いかもしれません。不動産屋さんは個人情報を出すことができないので、他の居住者について教えてくれない場合も多いでしょうが、自分の身を守るためですからダメ元でも確認してみて下さい。

さらに、防犯・安全のための設備としてオートロック、カメラ付きインターホン、カードキー(電磁ロック)にこだわってみても良いでしょう。インターホンのような取り付けが容易な設備については、大家さんに相談すると交換してくれたり、自費での交換を許可してくれる場合もありますので、内見時に不動産屋さんに聞いてみましょう。

間取り
部屋の「広さ」「間取り」についても気になるところですが、一人暮らしとなると1R~2Kくらいで十分だと思います。私が住んでいた地域ではアパートは2DKが主流だったため借りた物件も2DKでしたが、無駄に広いとモノが増え、引越しの際に苦労しました。

「家族や友達が遊びに来た時に泊まっていけるように」という考えから広い部屋を借りたとしても、家族・友人は毎日遊びに来るわけではないでしょうから、基本的には一人で生活することになります。 よほどのしっかり者やきれい好きでない限り、学校や仕事で日々忙しい生活の中では掃除が行き届かなくなりがちになります。

時々遊びに来る人のことをではなく、メインに生活する自分のことを考え、自分が管理できる程度の間取りで選ぶことが大切です。また、収納スペースについても確認しておく必要があります。内見の際、季節ものや普段使わない旅行バッグなどがしっかりと入るサイズかどうかを見ておきましょう。

そして、バス・トイレが別かどうかも気になるところですが、一緒でも別でも生活できます。「これが絶対条件」というわけではない場合は、「それほどこだわらなくても良いのでは?」と私は思います。 ちなみに、バス・トイレが一緒だと一気に掃除できるので意外と楽です。

ただし、お風呂場やトイレの窓は大切。特にお風呂はカビやすいので、窓がない場合は換気扇があるかどうかを確認してください。

部屋の位置
2階以上の場合、階段を上ってすぐやエレベーターを降りてすぐの部屋は人通りが激しく、一番奥は基本的にはその部屋の住民しか通りません。また、共用通路に窓があると通る時に何となく見てしまうものなので、少しでも見られるのに抵抗がある場合は奥の部屋を選んだ方が良いでしょう。

ちなみに、角部屋は窓が多いために日当たりや風通しが良く、左右のいずれかにしか隣室がないので騒音も少ないなどの理由から人気があります。 しかし、窓が多い分カーテンをたくさん用意しなければならず、特に西側に窓が配置されている場合は強い西日を遮るために少々値の張る遮光カーテンが必要になるかもしれません。

また、西日によって室内の温度が上がるため、夏は夕方以降もエアコンが必須。また、断熱窓・遮熱窓でない場合、外の気候による影響が大きく、冬は極寒でヒーターが手放せないということもあります。 その結果、他の部屋に比べると電気代が高くなりますし、窓が多いことで家具の配置に困ることもあります。

一人暮らしをする人は学校や仕事のため日中留守にすることが多いはずですから、角部屋のメリットである「日当たりのよさ」を充分に生かせないかもしれません。 マンションなどの防音対策がしっかりとしている物件であれば、真ん中の部屋でも騒音に悩まされることは無いはずですから、自分のライフスタイルに合わせて部屋の位置を検討しましょう。

家具、家電の位置
マイホームを建てる際に気になるポイントの1つがコンセントの位置。コンセントは後付けできないので、多すぎるくらいに付けた方が良いよ、と注文住宅の先輩方に言われました。 その言葉を信じて、かなり多めに付けたはずのコンセントですが、実際に住んでみると全く足りません。

家具や家電で隠れてしまうところがあったり、「何でここに付けなかったんだろう?」と後悔することがあったり。 あれこれ想像をして計画しても実際に住んでみないと分からないことが多いのです。

賃貸物件も然り、コンセントの位置によって家具・家電の配置が決まってきますから、内見時に確認しておきましょう。一人暮らしの部屋の場合はテレビのアンテナ端子は1ヵ所しかない場合が多いでしょうから、テレビの位置は自ずと決まります。

テレビを基準にしてどこにどんな家具を置くのかを何となくイメージしながら内見することで、電気のスイッチが隠れてしまったり、あちこちに延長コードをつなげたりすることなく快適に生活できるでしょう。 冷蔵庫や洗濯機、エアコンなど生活に欠かせない家電については最初から位置が決まっているので、サイズの確認だけは忘れずに行いましょう。

防音
私が最初に住んだ部屋は木造2階建てアパート、次に住んだのは軽量鉄骨の2階建てアパート。どちらも角部屋・2DKでした。 木造のアパートは全部で6戸だったのですが、玄関のドアが締まる音がアパート全体に響き、どの家の住民が帰って来たのかが大体分かりましたし、お風呂のドアを閉める音さえも伝わってきました。

もちろん壁も防音壁ではなかったので、隣家の子どもの声が良く聞こえましたが、角部屋だったので隣接していない方の部屋にいれば静かに過ごすことができました。 今思えば木造2階建てアパートというのは、いわば大きな一戸建てのような感じだったので、住人同士の生活時間帯が異なったりするとトラブルが起こってしまうかもしれません。

一方、軽量鉄骨でも木造ほどではありませんが、ある程度の音は響きました。 階段を上る音や通路を歩く音はわずかな振動と共に伝わってきました。特に気になったのが隣家のイビキ。毎晩ようにリズミカルな重低音のサウンドが聞こえてきました。幸い、私の寝室側まではそれほど届かなかったので良く眠れましたが、神経質な方は気になってしまうかもしれません。

尚、騒音が気になる方はアパートよりマンションをおススメしますが、マンションといえども鉄骨造の場合はアパートと変わらないことが多いようです。防音で選ぶなら鉄筋コンクリートや鉄筋鉄骨コンクリート造がいいです。

洗面所
女性の場合、独立した洗面所があることで朝の支度がしやすくなると思います。 洗面所が独立していないというのはどういうことかと言いますと、今まで実家暮らしだった方にはピンと来ないかもしれませんが、バス・トイレが一緒という物件があるように、洗面所とお風呂が一緒になっている物件が多々あるのです。

簡易的な洗面所がお風呂の洗い場に付いているのですが、これだと鏡が小さいので、朝、メイクをするのに使えません。化粧水や乳液を置く場所もありませんから、「女性の一人暮らしには向かないかな」、と思います。

独立した広い洗面所は、女性ならずともテンションが上がるはずです。私が2件目の部屋を選んだ理由の1つに、独立したきれいな洗面所がありました。 「顔は台所で洗えば良い」という方はこだわる必要は無いと思いますが、そうでない場合はぜひこだわりたい条件に入れてください。

大家さん
大家さんの形態も様々で、私が初めに借りたアパートの場合は、建物を所有しているのは大家さん、管理しているのは大手ハウスメーカーという体制であったため、実際に大家さんに会ったことがありませんでした。

2件目に住んだアパートは大家さんがしっかりと管理して下さっており、何か問題が起こって連絡するとすぐに自転車で駆けつけてくれました。ベランダにハチの巣ができた時、電話を掛けた直後に退治用のスプレーを持って颯爽と登場した大家さん。

てっきりハチ退治の専門業者さんが来るのかと思っていたので「大家さん自身でやるんだー」とビックリしましたが、刺されることを恐れもせず住人を守るためにスプレーする大家さんがヒーローに見えました。

そんな様子から物件に愛情をもっていることがひしひしと伝わってくるので、自然と「大事に住もう」という気持ちになりましたし、もし再びあの土地で物件を探すことがあったとしたら、またあの大家さんの所有する物件に住みたいと思うくらいです。

こんな大家さんはなかなかいないと思いますが、どんな物件でもトラブルが起きた時に誰が対応してくれるのかを確認しておくことは大切です。すぐに大家さんや管理人さんが対応してくれる物件には安心感があります。

耐震構造
地震大国日本。いつ大きな地震が起こるか分かりませんから、備えは大事です。わざわざ地震に耐えられない物件を選ぶ必要はありません。 2005年に耐震偽装事件が起こったことをきっかけに「耐震」への意識が高まったので、2005年以降に建てられて物件に関しては、それ以前に建てられた物件に比べて耐震構造はしっかりとしているはずです。

しかし、そうは言ってもやはり不安が残るところ。餅は餅屋と言いますから、不動産さんにしっかく確認して下さい。自分の身を守るのは自分なのですから、遠慮せずに何でも聞いてしまいましょう。

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