荷造りなどの準備をする前に考えること

【規模によって業者を選ぶ】

新居が決定していよいよ引越しとなった時、業者を使うか、それとも自力でするのか悩むところ。 トラックの運転ができて、マンパワーがあって、気力・体力が有り余っている場合は自力でも可能かもしれません。 しかし、そんな条件とは無縁の私は、今まで行った引越しすべてを業者にお願いしてきました。

業者を利用する場合、まず最初にどの業者にお願いするのかを決めなくてはなりません。 「業者」と言われて思い出すのは、TVCMや広告等で見かける大手の業者でしょう。確かに大手は所有する車両数もスタッフの人数も多いので、結果的に引越しシーズンになるとあちらこちらで見かけます。

もちろん大手だからこそのハウツーもあるでしょうし、そこに安心感もあります。 しかし、だからと言って名前だけで決めてしまってはもったいない気がします。では、どうやって決めていけば良いのでしょうか?

まず、予定している引越しの規模から候補を挙げてみてはどうでしょう。 一戸建てから一戸建ての引越しなど荷物が多い場合は、大きなトラックを多数保有する大手の業者が向いているでしょう。

また、単身でも大手に頼むと安くすむ場合があります。大手の単身パックは、コンテナに詰め込んだ荷物をトラックの空いているスペースに載せ、他の荷物と一緒に運びます。そのために特別な人員や車両を用意する必要がなく、人件費が削減できるため普通の引越しに比べて安くなるということです。

しかし、他の荷物との兼ね合いで細かい時間の指定ができないこともあるので注意が必要です。 また、荷物が少ない場合は、いわゆる「業者」といわれて思い浮かぶ業者ではなく、小規模な運送業者を使うこともできるでしょう。

かつて私は、軽トラックで走り回っている個人の運送業者に、自宅の玄関から滞在先の玄関までお願いしたことがあります。 荷物の量は段ボール5~6個、折りたたみ机、ヒーター、布団一組。滞在先の前の道はかなり狭かったので、軽トラックで来てもらえて助かりました。 家具・家電付きのマンションやアパートへの引越しの場合は、ぜひ選択肢に入れてください。

ちなみに極端に荷物が少なく段ボール箱数個で済むような場合は、宅配便で送るというのも手もあります。 このように、予定している引越しの規模によって業者の選び方を工夫するようにしましょう。

【特色によって業者を選ぶ】

業者には各社それぞれ特色があります。それを調べた上で選んでみてはどうでしょう。 例えば有名なものだと、前述した単身パック。決められたサイズのコンテナに荷物を詰め込み、他の荷物と一緒に運搬します。

業者によって違いがあるとは思いますが、細かい時間指定ができなかったり、使用後の段ボールを回収してもらえないなどのデメリットもあります。 金額的にはかなりお得なので、荷物が少ない場合にはぜひ検討してみてください。

他には、有料サービスにはなりますが、粗大ごみを処分してくれる業者もあります。冷蔵庫、洗濯機、テレビ、エアコンなど処分時に家電リサイクル料金が必要なものも、サービス料金にリサイクル料金を上乗せして支払えば処分してもらえます。

私はソファー、テーブル、洗濯機、エアコンを処分してもらったことがありますが、引越し前に慌ててリサイクルショップに運んだり、地域のクリーンセンターに連絡する必要が無いので本当に助かりました。特にエアコンは自分で取り外すことはできません。

そこで、エアコン処分をお願いすることで、事前に業者と提携している電気工事業者が取り外しに来てくれました。 出費はかさみますが、少しでも手間を省きたい方は便利なサービスです。

スタッフが女性というプランもあります。通常だと作業員はほぼ男性。リーダーは中年男性という場合が多いように思いますが、その他のスタッフは大学生アルバイトなど、力のある若い男性であることが多いです。

私が経験した一戸建てから一戸建てでは、当日スタッフは男性3人。荷物の量によって作業員の人数が増減するばずですが、さほど荷物が多くないはずのアパートからアパートの引越しでも男性3人でした。 女性の一人暮らしなどで、男性が自宅に入ることに抵抗があったり、デリケートな荷物がたくさんあったりする場合は、作業員が女性の引越しを検討してみてはいかがでしょうか。

また、荷造りから荷解きまで全てを行ってもらえるプランもあります。通常では荷物の搬出・搬入、家具等のセッティングは引越し業者が行いますが、段ボールへの詰め込み作業は事前に自分たちで行うことになります。この作業が大変なんです。部屋に散らばったいろいろな形のものを要領よく四角い段ボールに収納するというのは、かなり神経を使います。

これを自分で荷造りをせず、しかも荷解きまでしてくれるということですから、「引越しって大変」と思ってしまう要因の8割をクリアしたといっても過言ではないかもしれません。 さらに、作業終了後に「お手伝いサービス」をしてくれる業者もあります。

手の届かないような高い場所の照明をつけてもらったり、重いものを運んでもらうなど、自分たちでば大変そうなことをお願いできる、とても有り難いサービスです。 また、新生活がスタートしてから役立つサービスもあります。

これは大手の業者が得意としている所だと思いますが、レンタルモップやお掃除サービス等、業者と提携している会社の割引サービスが受けられることがあります。 お米をプレゼントしてくれる業者もありました。 このように各社様々な特徴があるので、どんな特徴があるのかを確認しましょう。

【訪問見積もりのススメ】

引越しを依頼するときにしなければならないのが見積もり。インターネットで見積もりしてもらったら、訪問見積もりが一番確実です。 荷物の量、家具・家電のサイズ確認はもちろんですが、搬出経路、トラックを止める道路状況など、実際に来て見てもらうことで、当日の作業がスムーズに進められます。

私はかつて訪問見積もりの時間が取れず電話のみで見積もりで済ませたことがありました。その際、業者さんの予想よりも荷物が多かったようで、実際に積んでみると思いのほか荷台がいっぱいになってしまったようです。しかもうっかり自転車を申告し忘れたようで、終始業者さんをハラハラさせてしまいました。

私の場合は何とか全て積み込んでもらえましたが、このようなことにならないためにも訪問見積もりをおススメします。 また申告を忘れないように、運んでもらいたいものを事前にリストアップしておくことも大事です。 訪問見積もりでは、営業さんが社用車に乗ってやってきます。挨拶を終えると、メモを取りながら家の中をグルっと見て回ります。

「あれも運びますか?」「これもですか?」と、一つ一つ当日の荷物を確認していきます。クローゼットの中や押入れの中もざっと見てもらいますので、チリ1つ落ちていないほどキレイにしておく必要はありませんが、人に見られたくないものはきちんと引き出し等にしまっておいた方が良いですよ。

また、室内にないもの(自転車やタイヤなど)はうっかり忘れがちなので、前もって申告しておきましょう。 インターネットで見積もりするときは、一社のみでなく、複数の業者に一括見積もりをお願いすると良いでしょう。 引越しの金額を比較できるのはもちろんですが、訪れる営業マンの様子でその業者さんがどのような感じなのかをつかむことができます。

もちろん営業マンが当日に作業してくれるわけではありませんが、大まかな会社の色がわかるでしょう。接客が仕事の営業マンとすら気が合わなかったら、当日のスタッフも然り。決して良い引越しができるとは思えません。 訪問見積もりの際、ひょっとしたら即決特典としての金額を提示されるかもしれません。相手も仕事ですから、確実に契約を取りたいでしょう。

たとえ目の前で頭を下げられても、提示された金額が相場なのかどうかが分からないままではサインをしていいものかどうか迷ってしまいます。 そうなる前にネット見積もり等で相場の確認したり、周囲に引越し経験者がいればリサーチしたりするなど、事前に情報収集をしておくと判断しやすくなります。

金額が全てではありませんが、とても重要なポイントです。 契約が成立すると、新品の段ボールとガムテープを置いて行ってくれます。段ボールが置かれると少しずつ引越しの雰囲気が出てきますね。 料金は当日、作業終了後に支払う場合が多いでしょう。忘れずに準備しておいて下さい。

私が業者選びで使った一括見積りサービスです

【荷造り準備中の疑問】

おそらく荷造りなどの準備の段階で、あれこれ分からないことが出てきます。 「タンスの中身はすべて段ボールに移し替えた方がいいのか?」「はたまた入れたままでいいのか?」 「クローゼットの衣装ケースは?」「引き出しがとび出ないようにガムテープを貼っておけば、それでオッケー?」

「電気スタンドや加湿器のような小さめの家電は段ボールに入れるべき?それともこのまま出しておいて、当日、業者さんに梱包してもらえば良いの?」など 細かいことですが気になることが次々に出てくるでしょう。私たちは引越しのプロではないので考えても答えは出ません。分からないことはどんどん聞いてしまいましょう。

依頼する私たちにとっては人生に何回目かの引越しですが、業者にとっては数ある引越しの中の1つです。よほどおかしな質問でない限り、業者さんに驚かれることはないでしょうから、安心して聞いてください。餅は餅屋、電話やインターネットで質問に答える手間も、料金に含まれていると思って臆せず聞きましょう。

ちなみに業者によって回答が変わってくるかもしれませんが、それは業者ごとにやり方の違いがあるので仕方のないところです。無駄に努力をせず、プロに任せられるところは任せましょう。 また、引越し直前になっても準備が終わらない、これじゃ間に合わない!と焦ることがあります。

全く手を付けていないのであれば焦ったほうが良いとは思いますが、そうではなく、「ある程度手を付けてはいるけれど終わらない」という場合もあるでしょうが、大丈夫です。何とかなりますから。 結婚式の準備などでもそうですが、こんなに頑張ったのに前日の夜になっても終わらない!と、泣きそうになることが多々ありますが、私たちのバックにはプロの業者が付いています。

百戦錬磨のプロが付いているのですから、何とかなるのです。プロの力を侮ってはいけません。素人が梱包すると何十分もかかるようなものを、プロは段ボールやガムテープ、緩衝材等を駆使してあっという間に片付けます。場数が違うのですから、悩むなら任せましょう。そして、自分しかできないものの片付けに残された時間を割きましょう。

尚、引越し自体は業者にお願いしたとしても、自分でしなければならないことがあります。 電気・ガス・水道などの解約手続きは必須です。当日に慌てないように、引越しの日程が決まった時点で早めに連絡をしてしまいましょう。後回しにすると、忙しさの中できっと忘れてしまいますから注意しましょう。

そして、何よりも大事なのは掃除です。業者はお掃除屋さんではないので、掃除はしてくれません。タンスの後ろにたまった埃くらいは搬出時に落ちるかもしれませんが、掃除は自分の仕事です。 今までお世話になった家に感謝をしつつ、ぜひ来た時のようにキレイにして下さい。立つ鳥跡を濁さずです。きちっと掃除しておけば、敷金がたくさん戻ってくるかもしれませんよ。

このページの先頭へ