お腹の赤ちゃんの健康を考えて行動しよう

お腹の赤ちゃんの成長を感じながら、ゆったりとした気持ちで穏やかな日々を過ごす。これが私の思い描いていた理想のマタニティーライフ。 しかし、我が家は妊娠8ヶ月での引っ越しを計画していたためため、「のんびりとしたマタニティライフ」は夢のまた夢。安定期に入ったころから少しずつ家の片付けを始め、引っ越しが完了するまでの数か月間は心身ともに落ち着かない状態で日々を過ごすこととなりました。

ちなみに我が家の場合、マイホーム計画を進めている段階で妊娠がわかり、結果として「妊娠中の引っ越し」となりましたが、今改めて考えてみるとこの時期に引っ越しをして本当に良かった。 決して穏やかではない妊娠生活を送ることになってしまったものの、出産後の引っ越しはもっと大変なはずです。

まず、引っ越しの日程は赤ちゃんの体調や授乳のタイミングを考えながら決めなければいけません。 それから引っ越しの荷造りは赤ちゃんから寝ているときにしなければいけないので本当に大変。 なので、もし妊娠中または出産後、どちらのタイミングで引っ越ししようか迷っているなら、妊娠中に引っ越ししたほうが断然いいでしょう。

ただ、妊娠中の体は通常の状態ではないため、それに伴い注意すべき点がいくつかあります。 その注意すべきポイントを実体験を元にご紹介します。

日程の決め方

「今日は体調がイマイチなので延期でお願いします」という訳にはいかないのが引っ越し。業者の予定、旧居と新居の大家さんの都合など、様々な要素が関わってくることなので、そう簡単には延期できません。 また、初期に悪阻で横になりたいと思っても引っ越しが終了するまではベッドや布団は使えません。また、後期に突如産気づいたとしても家財を放って夫婦で病院へ向かうことにはリスクを伴います。

ですから、引っ越しの日程を決めるときには、体調の変化が起こりやすい初期と後期を避け、少しでもリスクの少ない安定期に入った時期に引っ越しの日程を決めるようにしましょう。 尚、安定期で順調な経過をたどっていたとしても何が起こるか分かりませんから、万が一に備えて家族や信頼のおける友人などにも引っ越しの手伝いをしてもらえるようにお願いしておきましょう。

妊娠中の引っ越しは、「安定期」「自分・ご主人・手伝いに来てもらう方の予定が合う日」の2つの条件を満たす日にするようにしましょう。

プランの決め方

実は、妊婦の私は何も考えずにスタンダードなプランを選び、荷造りから荷解きまで自分たちで行いました。 そのため、荷造り中の段ボールの上にさらに段ボールを積み重ねるだけでもひと苦労。 特に私はお腹が前に突き出ていたので、軽い段ボールですら持ち上げるのが大変でした。 梱包から荷解きまでをお任せするプランはスタンダードなプランに比べると金額的には高くなりますが、妊娠中の身体面への負担を考えると梱包だけでなく荷解きまでのプランを選ぶのがいいでしょう。

荷造りの準備

引っ越し業者が決まると梱包用の段ボールが自宅に送られてきます。 私は「早いうちから荷造りしておけば後が楽よね」と思い、1人で作業を始めまいました。 ただ、少しでも体調がよくないと感じたら無理をせず、荷造りを手伝ってくれる人がいるときに準備を進めるようにしてください。

まず最初に荷造りしたのが寝室にあった書籍。1時間程度で、3箱程度の書籍入り段ボールが完成。 しかし、困ったのはその後。完成した段ボールをそのまま寝室に置いておくと、お腹が引っかかってしまいそうだったので、ダイニングまで移動させることにしました。

途中何度も休憩しながら15分後、ようやく段ボールをダイニングまで運び出すことができました。わずか5メートル先のダイニングが果てしなく遠く感じました。 その後、無理が祟ったようでお腹がバリバリに張ってしまいました。 幸いすぐに張りは治まりましたが、赤ちゃんに悪いことをしてしまった罪悪感はしばらく消えませんでした。

やはり「妊娠中に重い荷物」はNGなのだと実感。 従って、荷造りをするときは必ず、夫や家族と一緒にするようにして、段ボールを運ばなければいけないときは、夫や家族にお願いしましょう。

妊娠中の荷造りでしておくとよいこと
一般的な引っ越し時の荷造りでは、「書籍のような重いものは小さな箱に入れ、すべての箱に連番をつけ、箱の中身を明記する」の3つを抑えておけばいいのですが、妊娠中の引っ越しでは荷物を搬入するときの立会い(作業員への指示だし)をしなくてもいいように以下のことをしておくといいです。

まず、引っ越しを業者に依頼すると、通常、業者から搬入荷物のリストと段ボールに貼るシール(番号、氏名、内容物、行き先を記入)をもらいます。 まず、そのリストに梱包した段ボールはもちろん、家電、家具を記載します(段ボールに記載した番号とリストに明記された番号を合わせるようにしてください)。 そして、シールに必要事項を記入したら段ボールに貼ります。

次に、A4の用紙に搬入マップを作成していきます。 まず手書きで搬入先の間取りを書きます。 次に「台所には1~5までの段ボール」、「リビングの壁に沿った場所には26番のソファ」、「ソファの反対側には27番のテレビ台と28番のテレビ」などのように搬入する荷物をどこに置くのかを書きます。 さらに、A4の用紙に書いた各部屋に上記の番号を赤字で書き入れてたら完成です。

そして、完成した搬入マップは1枚コピーしておき、そのコピーした搬入マップを当日、作業員に渡しておきます。 そうすれば、搬入先で指示だしをする必要がなくなるだけでなく、作業員もどの荷物を先にトラックから降ろすべきかがわかり、作業が非常にスムーズに進みます。

引っ越し前の掃除

妊娠中の引っ越し準備で、意外と大変なのが「掃除」。 妊娠前なら棚をヨイショと動かして隙間から掃除機やフローリングシートでチャチャッとゴミやホコリを取ることができますが、お腹が大きくなってくる妊娠中期以降は、かがむことすら大変なので、掃除をするのも一苦労。

私の場合、高いところの拭き掃除をしようと床に立った状態で手を伸ばしたところお腹が張ってしまったことがありました。最も驚いたのはネジを外そうとドライバーにグッと力を入れた瞬間にお腹が張ったこともありました。 「こんな簡単なことすらできないのか」と思わず笑ってしまいましたが、これが「妊娠する」ということだと実感。

ネジすら満足に外すことができない状態で、完璧に掃除をするのは無理。赤ちゃんに負担をかけてまで掃除をする必要はありませんから、もしも大家さんに指摘されたら(指摘されることも無いでしょうが)、「妊婦なので掃除ができませんでした」と素直に伝えましょう。

ちなみに、それほど体に負担のかからなそうな床の拭き掃除ですが、『妊娠中に毎日拭き掃除をしていたら早産になってしまった』という友人もいたので気を付けてください。 どうしても床掃除が必要な場合はモップやフローリングワイパーなどを使いましょう。

荷物の搬出~搬入

引っ越しの規模や作業員の人数にもよりますが搬出作業はかなりスピーディーで、アパートやマンションならば1時間もあれば積み込み終了。 作業員の動きには無駄が無く、重い段ボール箱を2~3個重ねたまま階段をタタタっと下ったり、家電や家具もサッと梱包しトラックまで運んでくれます。

このように作業員はあちらこちらをひっきりなしに出入りする状態なので、搬出作業中は作業員の邪魔にならないように部屋の隅で見守っていましょう。

一方、搬入については「これはあっちに運んでください」等、体に負担のかからない作業員への指示だしならしてもいいでしょう。 ただ、階段を上下しなければならないような場合は注意が必要です。体力的な問題と、引っ越したばかりで慣れない新居の階段ということで転落するおそれもあります。 そのような場合は無理をせず、夫や家族に指示だしをしてもらうようにいましょう。

尚、搬入する際の荷物の配置場所ですが、家具・家電はもちろん、段ボールを運ぶ場所まで引っ越し前に夫婦で確認しておくことが大切。 引っ越し後に荷物を別の場所に動かしたいと思っても妊娠中の体では思うように動かすことはできませんので注意しましょう。

実は、我が家の場合、引っ越しのタイミングで処分する予定だったカラーボックスを誤って新居まで持ってきてしまったのですが、そのとき私は妊娠中なのでカラーボックスを移動させることができずに、そのまま部屋に置いておくしかありませんでした。 そして、そのカラーボックスを処分したのは、なんと引っ越しから6年後。 こんなこともありますので、夫婦で荷物の細かい配置までしつこいくらいに確認するようにしましょう。

母子手帳や妊婦健康診査受診券はどうなるの?

妊娠中の引っ越しで気になることの1つとして、「今まで使っていた母子手帳や妊婦健康診査受診票は継続して使えるのか?」というのがあります。 まず、母子手帳は、自治体によってデザインなどに違いはあっても、母子手帳に書かれていることは全国共通なので、継続して使えます。また、住所変更の手続きも不要です。

ただ、妊婦健康診査受診票は各自治体によって補助される検査項目や健診の回数などが異なるため転居先の市町村で交換してもらう必要があるので忘れずに手続きをしましょう。

では、引っ越しした後、里帰り出産を予定している場合はどうすればいいのでしょうか? 私は妊娠8ヶ月のときに引っ越ししたので、転居後すぐに里帰り出産を予定していました。 尚、転居先は■■県▲▲市でしたが里帰りする実家は東京都内にあるため、東京都内の産院に転院することにしました。

転居前:■■県●●市(産院も●●市)
転居後:■■県▲▲市(産院は東京都内)

そこで、転居前に通っていた産院に「里帰り出産をすること」、「32週で転院予定なので紹介状と妊婦健康診査のデータのコピーが欲しいこと」を伝えました。 尚、私のように転居先と異なる市町村の産院に転院する場合、転居先で交換してもらった妊婦健康診査受診票が使えるかどうか確認してください。

また、妊娠後期に引っ越しする場合、分娩予約はいつからいつまでにしなければいけないかも確認しておきましょう。 私が出産した産院では妊娠30週~34週まで分娩予約ができました。尚、産院によっては早い段階で分娩予約が埋まってしまう可能性があるので引っ越しが決まったら早めに問い合わせをしましょう。

実は私は妊婦健康診査受診票を交換しなければいけないことを知りませんでした。 そのため転居先の産院で転居前の妊婦健康診査受診票を使ってしまったのです。 その間違いに全く気が付かないまま新居でのんびりと過ごしていると、市役所から電話が…。 市役所の担当者からの電話で、「引っ越し後に妊婦健康診査受診票を交換してもらわなければならない」ということを知って、慌てて役所に向かいました。 くれぐれも私のようにならないためにも早めに手続きをしましょう。

さらに母親教室についても注意が必要です。妊娠週数によって大まかな内容が決まっていると思いますが、産院によって時期が異なる可能性も考えられます。受けるべき母親教室を受け損ねないためにも、事前に母親教室の内容についても調べておきましょう。また、産院ではなく自治体などが開催している母親教室もありますから、チェックしておきましょう。

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